- 肌がガサガサして、何だか化粧ノリが悪い
- 毛穴が浮き立ったようにザラザラする
こんなふうに肌のごわつきが気になっている方も多いでしょう。
実は間違ったスキンケアや生活習慣が、肌のザラつきを加速させていることもあります。
この記事では、肌がごわつく原因と対策を徹底解説。
正しいスキンケアの手順やアイテムの選び方まで紹介しています。
美容研究家・美容ライター
上田麻里 さん
日本化粧品検定 コスメコンシェルジュコンテスト金賞受賞。
多数の雑誌やWEBメディアの美容記事を執筆、監修を手掛ける。
本当に効果のある美容法を理系目線で追求する姿勢から、メーカーや企業からの信頼が厚い美容研究家。
多数のメーカーとのタイアップやコスメライターの育成にコミットするなど、一歩先を見据えた活動が注目されている。
肌のごわつきとはどんな状態?まずは原因をチェック
そもそも肌がごわついてしまうのは、角質が分厚くなっているのが原因です。
通常肌の表面にある角質はターンオーバー※によってアカとして剥がれ落ち、新しく入れ替わる仕組み。
しかし乾燥や刺激によって代謝が滞る場合があり、そのまま汚れとともに残ってしまいます。
古い角質が蓄積して分厚くなると、肌に弾力が失われて固くなってしまうというわけです。
ごわつきを解消するにために、まずは自分の生活習慣を見直して原因を探っていきましょう。
- 間違ったスキンケアによる刺激
- 紫外線ダメージによる肌の乾燥
- 睡眠や食事といった生活習慣の乱れ
①間違ったスキンケアによる刺激
間違ったスキンケアによる肌への刺激は、よくある肌のごわつきの原因です。
- 洗浄力の強いクレンジング剤や洗顔料を使っている
- 1日に何度も洗顔している
- ゴシゴシ擦って顔を洗っている
- クレンジングシートを多用している
- アルコール成分が入った化粧品を使っている
リキッドクレンジングやオイルクレンジングなど、油分を落とす効果の高いアイテムは必要な皮脂まで洗い落としている可能性が高いです。
さらに肌はこすられると、摩擦ダメージから守るために角質が厚くなる仕組み。
ゴシゴシと力強く洗顔したり、クレンジングシートを多用したりしている方は要注意です。
また肌が弱い方は、防腐剤や着色料などスキンケアアイテムの添加物が原因になることも。
たとえばエタノールをはじめとするアルコール成分は、蒸発するときに肌の水分も一緒に奪いかねません。
老化によるターンオーバーの遅れも一因
30代以降の肌のごわつきは、ターンオーバーの遅れも原因。
20代では約30日で肌が入れ替わりますが、30代になると40日前後まで周期が伸びてしまいます。
(参考:前田メディカルクリニック)
古い角質が落ちずに蓄積しやすくなるので、肌の表面がごわついてしまうというわけです。
また乾燥した肌は角質層が厚くなり、なかなかターンオーバーが整わないという悪循環にもなりかねません。
年齢とともに肌触りがザラザラしてきた方は、肌の保湿がごわつき打開の第一歩。
今まで使ってきた基礎化粧品を見直して、長期的にケアしていくのが大切です。
②紫外線ダメージによる肌の乾燥
紫外線ダメージによる肌の乾燥も、肌がごわつく一因。
実は紫外線ダメージは、肌老化の原因の8割を占めるほど強力。
紫外線を浴びすぎると、20代でも角層の水分量が低下してザラつきが目立つといわれています。
肌悩みが顕在化していない20代であっても、紫外線に多くさらされている肌では、角層水分量の低下や表面粗さの増加が確認された。
(出典:週刊粧業)
本来はうるおいで保たれた角質層によって外的刺激から肌を守っています。
乾燥すると肌内部の水分が蒸発し、外部からの刺激を受けやすくなるというわけです。
さらに外的刺激から肌を守るために角質を貯めこもうとして、余計にごわつきます。
③睡眠や食事といった生活習慣の乱れ
寝不足や偏食といった不規則な生活習慣によって、肌がごわつくこともあります。
- 偏った食生活
(脂っこい食べ物やインスタント食品ばかり食べる、暴飲暴食するなど)
⇒肌の形成に必要な栄養が不足する - 睡眠不足、就寝時間が不規則
⇒ターンオーバーを整える成長ホルモンが分泌されにくくなる - 心身のストレス
⇒自律神経のバランスが崩れてターンオーバーが乱れる - 運動不足
⇒血行不良を招き肌に栄養が行き渡りにくくなる - 過度な喫煙
⇒血管が収縮し肌に栄養が行き渡りにくくなる
まず、栄養不足や血行不良はターンオーバーに必要な栄養素を取り込めなくなる原因の1つ。
「偏食や暴飲暴食をしがち」「デスクワークなどで運動不足ぎみ」という方は要注意です。
また、心身のストレスや不規則な睡眠はターンオーバー周期の乱れに繋がります。
特に睡眠不足は肌のごわつきだけでなく、ニキビや毛穴詰まりといったトラブルも招きかねません。
特に20代以下の若年層で肌のごわつきが気になっている方は、ライフスタイルの見直しも忘れずにしましょう。
生理前や生理中のごわつきの原因
女性の場合、生理前や期間中に肌のごわつきを感じることがあります。
肌のうるおいに関わる「エストロゲン」というホルモン分泌が減少するためです。
水分と油分のバランスが崩れることによって、肌のごわつきに繋がります。
生理前や期間中に肌のごわつきが目立つ方は、その間スキンケアを工夫してみるといいでしょう。
肌のごわつきを改善するスキンケアのポイント2つ
肌のごわつきを改善するには原因に合わせた対策はもちろん、スキンケアも重要です。
下記のポイントを意識して、化粧品の買い替えや使い方を見直してみましょう。
- 洗浄力のやさしいクレンジング・洗顔料を選ぶ
- 高保湿成分入りの化粧水・乳液で保湿する
①洗浄力のやさしいクレンジング・洗顔料を選ぶ
肌のごわつきを改善するには、肌への刺激が少ないクレンジング剤や洗顔料を選ぶのが大切。
肌の保水機能を守る皮脂を洗いすぎない、やさしいテクスチャーや保湿成分が配合されたものを選ぶのが重要です。
✔︎クレンジング剤の選び方
- ミルクタイプ
- クリームタイプ
- 油脂(植物)系オイル・バーム
⇒スクワラン、ホホバ、オリーブ、コメヌカ、アルガンオイルなど
✔︎洗顔料の選び方
- アミノ酸系のタイプ
- ジェルタイプ
- 保湿成分が配合されているもの
⇒セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど
ミルクタイプのクレンジング剤は、やさしくメイクを落とせるのが特徴。
その分メイクを落とす力が弱いので、ナチュラルメイクの日に使用するといいでしょう。
クリームタイプは適度な洗浄力と保湿力があり、しっとりした洗い上がりが多いです。
通常のメイクであればクリームタイプをおすすめします。
オイルクタイプやバームタイプは、ウォータープルーフなどの落ちにくいコスメを使用している向き。
主成分の植物由来のオイルは、洗浄力は強くても比較的肌への負担が軽いです。
洗顔料は、洗い上がりがやさしいアミノ酸系の洗顔料を要チェック。
- ココイルグルタミン酸Na
- ラウロイルメチルアラニンNa
といった成分が記載されているか確認してみてください。

また洗顔料をしっかり泡立てていないと、直接肌をこすって刺激を与えかねません。
時間がないときや泡立てがめんどうな場合は、ジェルタイプ(洗顔ジェル)がおすすめです。
ごわつきを防止する洗顔方法
洗顔料だけでなく、正しい手順で洗顔することも肌のごわつき防止には欠かせません。
✔︎洗顔のやり方
- 34度ほどのぬるま湯で軽く洗顔
- 洗顔料を片手いっぱいになる程度までしっかり泡立てる
⇒泡立てネットを使うと泡立ちやすい - ごわつきが気になるパーツから泡を乗せる
- 手が肌に触れないよう、泡で撫でるように洗う
- 洗い流す前に、泡をある程度手で落とす
- 34度ほどのぬるま湯で洗い流す
- タオルを押し当てて水分を拭き取る
- 化粧水、乳液などでしっかり保湿する
過度な洗顔は肌の負担になるので、洗顔は朝晩の2回にしてください。
角質オフ効果がある洗顔料もチェック
少しでも早くごわつきを改善するなら、「スクラブ入り」「酵素入り」の洗顔料もおすすめ。
角質を落とす効果があるので、洗顔しながら固くなった角質除去が期待できます。
角質オフ効果があるコスメは、肌への負担がかかりやすいのがネック。
週1〜2回を目安にごわつきが気になる時に使いましょう。
《拭き取り化粧水+コットン》で細かな部分の角質も除去できる
目元や小鼻の溝など、細かな部分は拭き取り化粧水でのケアが最適。
洗顔だけでは落としきれなかった古い角質をオフしてくれます。
またごわつきで毛穴が目立ちやすい部分に、ピンポイントで角質ケアできるのもメリットです。
✔︎拭き取り化粧水でのケア方法
【基本の使い方】
- 拭き取り化粧水をコットンに出す
→柔らかいコットンがベター - コットンがヒタヒタになるくらい、化粧水をたっぷり含ませる
- コットンを肌に密着させ、なでるように拭き取る
【小鼻など部分的に使う場合】
- コットンシートを中指に巻きつける
- 巻き付けた中指の縦前面に拭き取り化粧水を染み込ませる
- 顔の内側から外側に向かって、なでるように拭き取る
まず拭き取り化粧水は洗顔後、スキンケア(ブースター、化粧水)の前に使用します。
拭き取りの場合は必ずコットンを使いましょう。
優しく肌表面を滑らせるようにし、擦らないように注意してください。
ただしスクラブ洗顔や酵素入り洗顔、ピーリングを使用した日は拭き取り化粧水はお休みするようにしてください。
②高保湿成分入りの化粧水・乳液で保湿する
高保湿成分入りの化粧水や乳液で保湿するのが、肌のごわつき改善に重要です。
✔︎高保湿成分
【水分を保つ】
- セラミド
⇒水分を挟み込み、キープする - ヒアルロン酸、コラーゲン
⇒水分を抱え込む - グリセリン
⇒水分をつかむ。ヒアルロン酸、コラーゲンと好相性 - アミノ酸
⇒水分を吸収しキープする
【潤い保持】
スクワラン
⇒肌の乾燥を予防する
高保湿成分がしっかり入っているかどうかは、成分表でチェック。
パッケージに保湿成分として記載されていることもあるので、注目するといいでしょう。
ごわつきを防止する保湿ケア方法
✔︎スキンケア方法
- 洗顔後(拭き取り化粧水)に化粧水を塗布
- 乳液やオイル系美容液を手にとる
- 頬の内側から外側に向かって、塗る
- 目・口は周囲をぐるりと一周して塗る
- おでこは中心から左右のこめかみに向かって塗る
- 「フェイスライン⇒耳下⇒首筋」の順にさする
化粧水を塗ったら1~2分ほどおいて、なじんでから乳液をつけます。
化粧や乳液は手のひらで包み込むように温めてからつけると、肌になじみやすくのでおすすめです。
乾燥しがちな頬、目まわり、口まわりなどは重ね塗りするといいでしょう。
ベタつくのが苦手なら、「さっぱりタイプ」や「サラッとしたテクスチャー」を選んでみてください。
保湿前のピーリング!角質除去で保湿成分がグッと浸透
肌のごわつきがひどい場合は、ホームピーリングもおすすめ。
ピーリングとは、古く固くなった角質を柔らかくして取り除く美容法。
クリニックの施術メニューにもありますが、まずは市販のピーリング剤を使って自宅でケアするのが手軽でしょう。
ピーリング剤を選ぶときは、刺激の少ない美容液タイプやクリームタイプがおすすめ。
ただしヒリヒリする乾燥状態やニキビがある時など、肌が刺激を受けやすい時は使用を控えましょう。
商品ごとに使用頻度は異なりますが、週1回程度が目安です。
年齢肌が気になる方や丁寧に保湿しても改善が実感できない方は、スペシャルケアとして取り入れてみてください。
執筆・編集

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複数の女性向け/男性向け美容メディアの立ち上げ、運営に参加。
「ユーザーにとって最善の選択を」をモットーに、日々コスメやスキンケア情報を研究。
コスメ薬事法管理者、化粧品検定1級、化粧品成分検定1級を取得し、現在はダイエット検定1級、薬事法管理者を猛勉強中。